復興構想に必要な「人口8000万人時代の国づくり」発想

復興構想に必要な「人口8000万人時代の国づくり」発想
《要約》「ダウンサイズ時代の国づくり」
1■2,3日前に自動車のスズキの鈴木会長は流石の会見をした。管首相の浜岡原発の停止について、産業界ではほぼ唯一、賛意を強く示した。あの御大は昔から大好きだ。本当に脳裏がクリアな経営者だと思う。去年の1月にも僕の敬意をこのブログに書いているので読んでほしい。僕らはこの2ヶ月間に、電気の過剰な使い方に自省し始めている。デパートもスーパーも駅もちょっとぐらい暗くてもいいさ、と思い始めている。普通の人間でも前からコンビニの煌々とした過剰照度は、異様に感じていたよね。

2■2050年には日本の人口は8000万人台となる。太平洋戦争に突入時、日本の人口は6000万人に過ぎなかった。ついでに、幕末は3500万人に過ぎない。現在は若者3人で老人一人を養う構造であるが、今から40年後は若者がたった一人で、老人一人を支えなければならない社会となる。生産人口はせいぜい5000万人ぐらいのようなサイズになるのだ。サイズは「自然現象」で小さくなるが、機能的で上質な社会をめざす方向を選択したい。

3■東電やソニー(情報漏洩)に於ける日本の組織や技術の劣化の現実を露呈させた。実は、もの作りの現場も、既に空洞化現象が始まっている。「食」の現場では「焼き肉」だけでなく、プロの技術が激減し荒廃して久しい。公共の見直しと公共政策の確立、さらに「太平洋戦争の敗北の研究」の重要性が増してくる。温故知新を忘れ目先の利潤に振り回されている「科学と技術」の軽佻浮薄。

4■日本は世界に冠たる「資源国」であった。石油など化石燃料の資源はほとんど無かったけれど、高度知識の最たる資源国であったのだ。文化・文明の集積しやすい極東の辺境にある故だ。日本の主たる産業は教育・コンテンツ・観光・農業に収斂する予感が見えてきた。工業はメイド・イン・ジャパンでなく「Made by JAPANESE」の時代認識で、世界を内需止揚する。世界の開発途上国の「裾野産業」構築を産業教育や職業訓練(モビケーション)の分野で協力する役目は日本の独壇場である。

5■プルトニウムは石油と同時期の70年後に枯渇する。プルサーマルは、それを7年延期するに過ぎないこともはっきりした。日本の原発は、新規建設をしなければ、2050年までにゼロとなる。原子力は、安価でない上に、クリーンでもないをはっきりさせた。さらには、原発が無くとも、「ちっとも困らない」充足環境であることも解ってきた(みんなの節電が期待できればね)。また、多様で本格的な再生可能エネルギー開発(登場)までの、単なる「つなぎのエネルギー」であることが明白となった。

6■原発は、日本のかつての軍部関係者ら(読売の正力・中曽根)が持ち込んだ「軍需」に代わるあたらしい形の「軍産官」利権体制であった。系列が違うが田中角栄がそれに加わり、現在までに「地域独占体制」を軸に産業界・政界・官僚の圧倒的な巨大利権構造を構築することになってしまった。そしてマスコミも抱き込んだタブーを生んできた。広告費の日本一は、トヨタの年間700億円だ。第二位は、花王の500億円である。が、東電だけで広告・広報費を毎年マスコミに2000億円を払っていることが暴露された。さらに、原発立地の地方への莫大な原発交付金は、本当の豊かさを生起できず、むしろ地方の自立的自治を放漫にしてきてしまった。
7■アメリカの無人偵察機グローバルホークからの重大情報の秘匿が、近々暴露された場合、本当のパニックになる。福島は数十年立ち居得れない事態が予想される。更に、広島・長崎で原子力被害者であった日本が世界への「加害者」になってしまったのである。
・・・・・・近日に上記全部をひっくるめた長文「ダウンサイズ時代の国づくり」執筆予定。
http://vciat.blogspot.com/   abevci@vietnam-waseda.org  阿部